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エンジニア視点から見るロマンス詐欺

ロマンス詐欺が急増している背景にはコロナなどオンラインでの出会いに抵抗がなくなったことが挙げられるだろう。警視庁の公表している統計データも増加傾向にあり、その多さを物語っている。また、日本は島国であり、これといった危機を経験してこなかったがアメリカなどはサイバー犯罪の取り締まりに力を入れており、日本国内ではそれといった諜報機関も存在しないことは問題だ。

 

ロマンス詐欺は利益率が高く課税の心配もない

 詐欺メッセージは高度化しており、従来の機械学習を組み込んだ迷惑メールフィルターが通用しなくなってしまっているのは言うまでもない。

 今後もこのような被害は増加していくことは間違いない。ロマンス詐欺で詐欺師が使うであろうサービスを一覧にして紹介したい。

 

SNS

詐欺師は常にターゲットを探しており、SNSや最新のテクノロジーを駆使してくる。

ロマンス詐欺の出会いのきっかけは様々だ。FacebookInstagramなどのSNSや出会い系アプリを通して海外の詐欺師が日本人を狙っていると考えるべきだろう。

       SNSやってます | 株式会社JOBBANK

 

This Person Does Not Exist

 このサービスは自動で人間の顔画像を作成してくれるサービスだ。アクセスすると自動で生み出された顔画像をランダムで表示してくれる。SNSなどのプロフィール写真を使う場合などに使えるだろう。もちろん存在することはない顔を自動で作ってくれるので詐欺師には便利なサービスだ。

www.thispersondoesnotexist.com

 

Generated Photos

 AI(人工知能)技術により、存在しない人物の顔写真を作成できるサービス。髪の長さや人種、瞳の色などについても設定することで顔写真を作ることができる。

generated.photos

 

Random Person/Name Generator

 すぐに使える偽のプロフィールをAIが自動で作成してくれるサービスだ。AIは高度化しており、このようなサービスで作られたプロフィールを見ても詐欺師なのかどうなのか見抜くのは困難だろう。

www.fakepersongenerator.com

 

Google画像検索

 あまりにも美女や美男子過ぎるプロフィール写真は疑うべきである。なぜなぜそれらの写真は海外のモデルのInstagramから持ってきただけの場合があるからである。同じような画像が使われていないのか検索してチェックしてみよう。また、相手の写真を保存する際にファイル名などにも注目すべきだ。iphoneやアンドロイド端末で撮影されたファイル名ではない特徴的なファイル名である場合は注意が必要だ。

 相手が住んでいる付近の写真を撮影してもらい、画像検索したりするのも有効だろう。画像検索して同じ写真が複数存在しているようであれば詐欺師である可能性が高い。

www.google.co.jp

 

Google Translate

 翻訳サービスとして王道なものはGoogle translateである。詐欺師は翻訳サービスを使用して不自然な日本を送ってくるだろう。日本語は助詞や助動詞など英語ほど簡単に正確に訳すことが出来ない。この点は日本語のメリットだろう。日本に住んでいた、親戚が住んでいると言っているにも関わらず、おかしい日本語が頻繁に送られて来たらまず詐欺師かどうかを疑うべきである。詐欺師の矛盾点に気づかなければいけない。

translate.google.com

 

DeepL Translate

 翻訳サービスで精度の高いAIが使用されているサービスである。Google翻訳より精度が高く、微妙なニュアンスの表現を訳すことが出来る。このサービスを使えば詐欺師でも簡単に精度の高い日本語のメッセージを送信することが出来てしまうだろう。

www.deepl.com

 

投資や資産運用の話が出たら

 投資や資産運用の話だ出てきたら残念ながらその人は詐欺師だろう。インターネットを使った詐欺は多様化しており、カジノコインリースによる詐欺、暗号資産のマイニング、不動産投資、海外資産がらみの詐欺、私募ファンド、プライベートバンク、非上場株・未公開株などこのような話が出てきたら100%詐欺だと思った方が良い。海外の友達や知人が多い人なら分かるが、仕事や資産運用の話をしてくることはない。あなたに儲かってほしいから紹介している、叔父や叔母が投資に詳しいと理由、知り合いが有名なトレーダーだという話をしてくることはまずない。

 

紹介されて運用したら資金が増えて信用して大金を振り込んでしまった

 これも非常によくあるパターンである。チャットなどで相手を信用させ、小さな成功を積み上げることで信用を得ようとする。

開発者が逃亡してしまった「イカゲームコイン」の価格推移

 仮想通貨やFxなどの運営プラットフォームやシステムなどはソフトウェアの開発者であれば作ることが出来る。私が以前に聞いた話では売買プラットフォームは約5000万円ほどで開発が可能であり、そこに信用させた何も知らない日本人に大金を振り込ませ金額が増えるようなシステムを構築するのである。詐欺師は巧妙にWebサービスや仮想通貨の売買プラットフォームから開発しているのである。そしてある程度大金が集まると売りぬいたり、システムにエラーが発生して抜き出せない等の問題を引き起こさせる。

 

 例え初期に5万円を振り込んで1万円お金が増えたから信頼できるのは誤りであり、そもそもが詐欺師が作ったシステム上話であり現実には増えていないのである。

増えた仮想通貨が下せない等の問題が発生するのは詐欺師がシステムから作っているためであり、振り込んだが最後と思うべき。

 

詐欺にあってしまったら

 詐欺師による詐欺は日々高度化しておりITや仮想通貨等に精通している物でなければ対応したり取り戻することは難しいだろう。残念ながら日本の警察も詐欺師が海外に住んでいるとなると対応してくれないのが現実だが、可能性は0ではないだろう。

何かしらのLogやデータが残っている可能性はあり、手掛かりはあるはずだ。

 

IPアドレスから住所検索:国、地域の特定

 IPアドレス/ホスト名/ドメインから住所「国、地域、郵便番号、緯度・経度」を確認することができるサービス。ではどうやって相手のipアドレスを特定すればいいのでしょうか。相手にURLを開かせるなど誘導させる必要があります。

rakko.tools

 

新たな暗号通貨犯罪「流動性マイニング詐欺」

 犯罪組織が偽のアプリ、悪意のあるスマートコントラクト、および偽の報酬で被害者を誘惑し、暗号通貨を騙し取っているというかなり面白い記事。

news.sophos.com

 

都道府県警察本部のサイバー犯罪相談窓口一覧

www.npa.go.jp

 

Internet Crime Complaint Center(IC3)

日本の警察だけでなくUSのFBIやIC3のインターネット苦情センターに苦情を申し立てみましょう。手助けしてもらえるかもしれません。

www.ic3.gov

 

Internet Crime Complaint Center(IC3)

FBIなどによる詐欺の年次レポート

www.ic3.gov

 

サクラ詐欺被害110番

悪質な出会い系や詐欺被害等の事例が記載されているサイト

deai-report110.com

 

AIやテクノロジーの進化に伴い詐欺師の手口はさらに巧妙に進化し続けるでしょう。